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  • 執筆者の写真Rinki Ito

経済博士課程の民間就職活動

更新日:2023年12月4日

 本記事では、経済博士課程に在籍している私の民間就活の経験を紹介します。結局私は民間への就職はやめてアカデミックの道を選びましたが、民間も1つの選択肢に入れられる事を、博士への進学を悩んでる後輩たちに向けて残せればと思います。

 

民間就職の大変さ


 博士課程は民間就職が難しそうってイメージがあると思いますが、正直大変です。PhD持ちが歓迎される企業(研究所)が経済の場合(サイバーエージェントくらいしか)ないので、いわゆるガクチカを用意する必要があるのですが、困ったことに研究で培った経験はガクチカとして使いにくいです。

 まず、企業が求めてるのは人との関わりの中での経験だと私は考えています。例えば、チームで活動する中で何を、なぜ目標に設定したのか、またそこでの挫折や対処、成長といった話からその人の人間性を測ろうとしています。しかし、研究にそのようなストーリーを持たせることは難しい(そもそも何を目標に置くかが難しい。良い研究、というのは抽象的すぎる。ガクチカにおける目標は何か問題があった上でそれを改善するためのもの)故に、この問題が生じます。代わりに課外活動としての話を用意する必要があるのですが、研究一筋な博士学生にとってこれは酷です。学部の話は昔過ぎますし、それにサークルとかの話は他の学部・修士の人達もするため、わざわざ3〜5年のハンデを抱える博士学生を雇うメリットも薄まります。

 文系職ではなくエンジニア、例えばデータサイエンス系ならよくあるガクチカよりも分析経験の比重が大きくなるため話がしやすくなりますが、機械学習の経験がないとまず無理ですし、受けるメイン層も機械学習に精通してる情報工学の人たち(また情報工学でなくとも機械学習を研究に使ってる人)になるので、大変なことには変わりません。

 

どこを受けたか


 上記の大変さを踏まえた上で、自分が受けた職種はデータサイエンティストです。研究で特に機械学習を扱ってない故に知識も経験も少ない中で困難さはありましたが、結局新卒は潜在能力を評価する場であるため、私は新しい分野であってもやっていける力と現場経験を軸に勝負しました。起業や企業インターンの経験からこれらの話の材料を獲得し、機械学習に精通する学生たちとの差別化を図りました。特に後者の現場経験について、専門分野の学生たちはあくまで研究で必要な知識が豊富なのであって、現場で必要となる知識には乏しいはずという点に着目した感じです。実際に情報工学の博士学生の知り合いに質問し、ビジネスと研究の違いを洗い出したりしました。

 

対策したこと


 まず、データサイエンス系は基本プログラミングテストも科されるので、その対策です。テスト内容は競プロの基礎レベルとされているため、事前にAtCoderとかで問題内容を確認しつつ学習を進めておきました。初心者向けに集められた問題集とか参考になります。

 次に、面接において研究を深堀りされる(技術面接といって研究内容を5分で説明させられる)場合があるので、如何に研究の重要性や面白さを他分野の人に伝えるかを意識し準備しました。注意すべきなのは、学会の時と同じように話しても面白さがあんまり伝わらない所です。例えば経済の根本的な面白さは原因(説明性、因果性)の追求にあり、それを実社会にどう活かすかについては二の次だったりします(UTEconはこれを問題意識の一つとして動いてますが)。データサイエンティストは機械学習の分野であり、予測精度の追求にモチベーションがあるので、この差を認識しつつ、研究結果を何に活かすことができるのかまで考えておくと良いと思います。

 

どう博士課程を過ごすべきか


 民間就職を1つの選択肢に入れつつ進学するのであれば、研究以外の活動を能動的にする必要があります。私は研究のために他分野の勉強会に参加したり、担当教員以外の教授にも質問したりしましたが、例えば結果的にジャーナルに載せることができたとしても、それらの活動と結果の間の因果関係は弱いです。能動的ではありますが、結局ストーリーとして論理の飛躍があります。

 ではどこで経験を獲得するかですが、会社の長期インターンはおすすめです。博士の学生を分析要員として雇ってくれる会社(例えばサイバーエージェントなど)が最近増えており、現場経験を積むことができます。そこでチーム活動の話もできますし、学生故に生じるビジネスの場での挫折など、まさにガクチカとして使える話がわんさかあります。宝庫です。もしサークルとかの話がないにしても、それらの話は学部生もするのでわざわざ新しく経験するメリットが薄いですが、ビジネスの場での経験は博士ならではのものとして差別化できます(結局入社後の解像度が大事なので、その点でも大きいです)。分析というものがビジネスにどう活かされるのかが知りたかった、と動機としても話しやすいです。またデータサイエンティストでなくとも、マーケティングへの興味にも広げられると思います。

 

まとめ


 本記事では博士学生の民間就活の話を紹介しました。研究をそのままガクチカとして活かすには難しい故に、博士学生の民間就活は大変だと私は考えています。大切なのは博士課程の間に研究以外にどんな経験を得るか、またそれがストーリーとしてどう魅力的か、です。




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